読んでみた 116
文庫化されたら買おうと思っている本ってかなりある。その中でも一番楽しみにしていた小説がやっと文庫化されたとのことでいつもの本屋さんへダッシュ。
本屋さんに入るやいなや、裏表紙のあらすじや帯なんかに目もくれず速攻で購入し速攻で帰宅し速攻でページを捲り読み始めたら案の定、1ページも読まないうちに引き込まれ...
太田愛先生の「天上の葦 上・下巻」。
上巻のあらすじは...白昼、老人は渋谷の交差点で何もない空を指して絶命した。
死の間際、老人はあの空に何を見ていたのか。突き止めれば一千万円の報酬を支払う。
興信所を営む鑓水と修司のもとに不可解な依頼が舞い込む。
老人が死んだ同じ日、一人の公安警察官が忽然と姿を消した。
その捜索を極秘裏に命じられる刑事・相馬。
廃屋に残された夥しい血痕、老人のポケットから見つかった大手テレビ局社長の名刺、
遠い過去から届いた一枚の葉書、そして闇の中の孔雀。二つの事件がひとつに結ばれた
先には、社会を一変させる犯罪が仕組まれていた。鑓水、修司、相馬の三人が最大の謎
に挑む。
下巻のあらすじは...失踪した公安警察官を追って、鑓水、修司、相馬の三人が辿り
着いたのは瀬戸内海の小島だった。山頂に高射砲台跡の残る因習の島。
そこでは、渋谷で老人が絶命した瞬間から、誰もが思いもよらないかたちで大きな歯車
が回り始めていた。誰が敵で誰が味方なのか。
あの日、この島で何が起こったのか。穏やかな島の営みの裏に隠された巧妙なトリック
を暴いた時、あまりに痛ましい真実の扉が開かれる。―君は君で、僕は僕で、最善を尽
くさなければならない。すべての思いを引き受け、鑓水たちは力を尽くして巨大な敵に
立ち向かう。
今回のテーマは簡単に言うと「言論の自由」、「報道のあり方」と言うようなことになるんだろうと思うけど、ミステリとして当然秀逸で、いつもの通りテンポも良くページを捲る手が止まらない、前二作同様ガッツリ引き込まれる作品でした。
ちなみに前二作は...
脚本の仕事を続けてるのかどうかは分からないけど、誰かが言っていたとおり太田愛先生には小説の執筆活動に専念してほしいですね。
っと言うことで、次回作も楽しみです。