読んでみた 110
直木賞の候補すべてが女性作家の作品というのがちょっとした話題に。
まだ候補作は一冊も読んでいないけれどそのうち読んでみましょうってことで...
今回はコレを読んでみました。
昨年の直木賞受賞作。
荻原 浩の作品を読むのは実に3年ぶり。
ちなみに3年前に読んだのはコチラ→読んでみた ⑪ - present location
伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。もしも「あの時」に戻ることができた
ら…。母と娘、夫と妻、父と息子。近くて遠く、永遠のようで儚い家族の日々を描く
物語六編。誰の人生にも必ず訪れる、喪失の痛みとその先に灯る小さな光が胸に染みる
家族小説集...っと言うようなあらすじ。
「海の見える理髪店」、「いつか来た道」、「遠くから来た手紙」、
「空は今日もスカイ」、「時のない時計」、「成人式」の6編が収録されてます。
どのお話も切ないけれど、でも最後は温かい気持ちになる...
自分的にはやはり表題作の「海の見える理髪店」が一番好きかな。
情景描写が細やかで綺麗なのはさすがです。
あと、6話目の「成人式」、これもまた好きな物語でした。
っと言うことで、今月はあと何冊読めるだろうか...
読んでみた 109
少し前に購入していたけどなかなか開くことが出来ずにいた本。
今日までズルズルと経過してしまい気付けば文庫化されていた。
コレはさっさと読まなきゃね~ってことで、今回はコレを読んでみました。
恋愛ものって殆ど読まないけど、2か月くらい前に読んだ「ある男」が面白く、コレもきっと面白いんだろうなーってことで...
ちなみに「ある男」の感想はコチラ → 読んでみた 103 - present location
天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。
深く愛し合いながら一緒になることが許されない二人が、再び巡り逢う日はやってくるのか――。
出会った瞬間から強く惹かれ合った蒔野と洋子。しかし、洋子には婚約者がいた。
スランプに陥りもがく蒔野。人知れず体の不調に苦しむ洋子。
やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまうが……。 芥川賞作家が贈る、至高の恋愛小説。
結婚した相手は、人生最愛の人ですか?ただ愛する人と一緒にいたかった。なぜ別れなければならなかったのか。恋の仕方を忘れた大人に贈る恋愛小説。
っと言うようなあらすじ。
最初はなんだか読みにくかったけど、中盤(蒔野のマネージャーの取ったある行動)からは一気に読み進めました。
最後は「そこで終わるのー!?」って感じだったけど...
恋愛ものがあまり得意ではない自分でもなかなか面白かったです。
読んでみた 108
先月は山遊びで忙しく結局2冊しか読めなかったのに、今月は既に4冊ほど購入してしまい、積読本が増え続ける状況は相変わらず。
少しペースアップしていきましょうと言うことで、6月の一冊目はコレをチョイス。
久しぶりの雫井脩介。
東京のベッドタウンに住み、建築デザインの仕事をしている石川一登と校正者の妻・貴
代美。
二人は、高一の息子・規士と中三の娘・雅と共に、家族四人平和に暮らしていた。
規士が高校生になって初めての夏休み。
友人も増え、無断外泊も度々するようになったが、二人は特別な注意を払っていなかっ
た。そんな夏休みが明けた9月のある週末。規士が2日経っても家に帰ってこず、連絡す
る途絶えてしまった。
心配していた矢先、息子の友人が複数人に殺害されたニュースを見て、二人は胸騒ぎ
を覚える。
行方不明は三人。そのうち犯人だと見られる逃走中の少年は二人。息子は犯人なのか、
それとも…。
息子の無実を望む一登と、犯人であっても生きていて欲しいと望む貴代美。
揺れ動く父と母の思い―。
こんな感じのあらすじなんですが...久しぶりに凄い小説を読んだというのが率直な
感想です。
涙腺が緩みました。
もしこの現実が自分の身に起こってしまったら、その時自分はどうするのだろう。どう
することが出来るのだろう...
どんな現実になったとしても、その現実を受け入れることが出来るのだろうか。また、
その覚悟が出来るのだろうか...
コレはなかなかおススメです。
読んでみた 107
今月は山で遊んでばかりのため、まだ一冊しか読めていない。
そのくせ、本屋に寄っては購入しちゃうもんだから積読本が増加中。
いい加減片していかないとね~って言うことで今回はコレを。
今年の本屋大賞で2位となった「ひと」があまりにも良かったため、他の作品も
読みたいと思い物色していたら目立つところに平積みされていたので購入して
おいたやつ。
子持ちの主婦パート・恵は年下バイトとの浮気に溺れ、仕事もサボりがち。
生真面目な働きぶりで店長の信頼も厚いおデブな女子大生・日和は、
恵の身勝手な言動に業を煮やし、逆襲を試みるが──。
従業員間のトラブル、客との交流、店長の恋……
牛丼屋で交錯するちょっとワケあり人間模様をあたたかな筆致で描きだす。
注目度ナンバーワン作家が贈る異色の連作群像劇! (『牛丼愛』改題)
3話からなる連作短編であらすじはこんな感じ。
とある牛丼屋さんを舞台に繰り広げられる群像劇。
1話目、2話目は少々ダークな感じのお話だけど最後の3話目でちょっぴり
温かい気持ちに...
「ひと」には及ばないものの、この作品もなかなか面白く結局一気読みでした。
っと言うことで、今月はあと一冊は読んでおきたいけど...
読んでみた 106
読んでみた106ってなんだか半端な数字だけど、旧ブログから引き続き綴っていこうと思います。
ちなみに「読んでみた」のブログ記事一覧-present locationを見ていただけると嬉しいです。
っで、今回はこんなのを読んでみました。
少し前、本屋さんで目立つところに平積みされていて、何となく気になったので買っておいたやつ。
引っ越しのために部屋を片付けていた千波は、読んだ覚えのない一冊の本を見つける。ページをめくると、未開封の手紙が挟まっていた。差出人はYUKI。そこには、「わたしも人を殺したことがある」と書かれていた。YUKIって誰?私は人を殺したの?千波の過去の記憶を巡る旅が始まった。切なくも温かな真実が明らかになる感動のミステリー。
あらすじはこんな感じ。
「いちばん初めにあった海」と「化石の樹」という二編からなる少し長めの連作短編。
ミステリーとはいってもトリックを暴くとか犯人を捜すというような物語ではなく、二人の女性が、自分の人生を取り戻す...切ない系のミステリー。
初読みの作家さんであまり期待していなかったんですが一気に読了。別の作品も読んでみたいなと思いました。
と言うことで、なかなかおススメです。